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炎桜/えんおう

脳性麻痺のボッボぼくのタッタ体験的小説ブログです。
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三日月と花火14
前を読む
誇りに感ずる
香奈はチラリと春人を見た。玄関前でオタオタしていた春人を。
香奈は春人を知っていた。
一度、同級生が春人の目の前で彼の真似をしていたのを見かけた事があるからだ。
その時、香奈は春人を可哀想に思っていた。
つい最近、彼と友達になった事を兄から聞いた時、彼女は正直、ホッとした。
友達がいれば、春人がもし、いじめられたりしても、
その友達が守ってくれそうな気がしたからだ。
また、ホッとすると同時に心密かに兄を誇りに感じた。
春人と友達になった兄に。
それで、彼女は表面上は仕方なそうに
「いいよ」
「じゃあ、僕は見てるよ」
何故か、香奈とチェスをする事にしてしまった春人は、駒を並べながら考えていた。
もし、勝ってしまったらどうなるか?
下手すると、五歳の親戚の子とテレビゲームの格闘ゲームをして
勝った時みたく、泣かれる事も考えられる。
そうなったら、潤一が怒るかも知れない。
元々、ガラス製のチェスで勝負したかっただけだ。
勝ち負けなどどうでもいい。
ここまで考えた時に、香奈の声が聞こえて来た。
続く


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三日月と花火15
前を読む
無邪気に。
「先手はどっちで」
「あ、じゃ、ボッボッ僕で」
「どうぞ」
確かに、香奈は潤一に比べれば強かった。
しかし、小学生時代、友達と遊ぶ事が出来なかった代わりに、
チェスと遊んでいた春人には彼女は弱く感じられた。
やがて、香奈が無邪気に宣告した。
「チェックメイト!」
潤一は、少し疑問気に
「女だからって手を抜いた?」
「え?手、抜いたんですか?」
香奈にもそう言われ、
「ヌッヌッ抜いてないよ」続く


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三日月と花火16
前を読む
サンドイッチ
何とか話を変えたい春人は少々、強引に
「あのさ、ソッソッソそれより、何か別な事しない?三人いるんだから」
「別な事?ん?ていうかさ、もう、お昼だよ、昼飯食おうよ」
「うん、いいよ、あ、サンドイッチ作ってあるから」
「サンドイッチかあ、いいね。春人君も食ってってよ」
「え?いいの?」
「いいよ、食ってってよ」
「え、でも」
「遠慮すんなよ。食ってけよ」
「そうですよ、食ってて下さいよ」
続く


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三日月と花火17
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水城家の家庭内事情
結局、その日はサンドイッチを食って、三人でトランプをした。
トランプをしながら、潤一は彼に自分の家の事情を話し出した。
水城家は基本的に二人だけで暮らしており、
母親は香奈が五歳の時他界しており、
父親の職場は遠方にあるらしく、たまにしか家に帰らず、
父親の仕送りで生活している事。
家事は香奈が洗濯と料理、潤一がその他の家事をやっている事。
春人はこの兄妹が妙に大人っぽいのはそのせいかと納得して、
四時頃に水城家を出た.....
続く


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三日月と花火18
前を読む
これからの事。
 水城兄妹とのそんな出会いを思い出してボンヤリとしていた春人は、
いつの間にか香奈が自分の隣に移動していた事に気付かなかった。
香奈はボンヤリとしていた春人に不意打ちをかけるかのように肩を叩いた。
「何、ボーとしてるの?」
「アッ!ああ、香奈ちゃん。ベッベッ別に何も無いよ」
「何か、寂しそうにしてたから」
「ソッソッそう?」
「香奈、放っとけよ、春人は色々考えてんだからさ。これからの事を」
最近、春人を呼び捨てにするのに慣れた潤一が香奈にこう言う。
しかし、香奈は心配そうに
「うーん、そうなんだけどさ、何か、放っとけなくて」
「それは余計なお世話だよ、なあ、春人」

続く


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疲労
今日は日曜なので小説の方はお休みし代わりにボクのエッセイをお届けします。
最近、気付いた事がある。
それは、体質によるものでもあると思うが、
疲労が蓄積すると、妙に体がくすぐったくなるという事である。
以前までは、疲労が蓄積するとダルくなるだけであったが、
最近はそれに加えて、何か体全体がくすぐったくなる。
友人に相談してみると、返って来た答えがこれだ。
「マゾじゃねえ?」
正直、ムッとして、反論してみたが、
後になって考えてみると、思い当たる節がいくつかある。
認めたくはないが友人の言う通り、僕はもしかしたら
体質的にはマゾかも知れない.........
それはそうとしても、仕事の疲れは嫌なものである。
夏なので、僕の会社は非常に忙しくなっており、
これからもどんどん疲労が溜っていくであろう。
しかし、これを乗り切らなければ、と思ってみても..........
ああ、本当に、会社が嫌になって来る............


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三日月と花火19
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絨緞と牛タン
春人が無言で返答したのを心配そうに
「何だ、本当に寂しいのか?どうせ二年間だけだろ?えーと、何て言ったけ?」
「職業能力開発校」
「そこ、どこだったけ?」
「M県のS市」
「ああ、牛タンで有名なとこか」
「ジュジュ絨緞?そんなに有名だったっけ?どんな模様が有名なの?」
「それは絨緞、僕が言ってるのは牛のベロ」
「ああ、牛タンね、最初からそう言ってよ」
「だから、初めから言ってるって!」
続く


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三日月と花火20
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漫才
春人は耳も少し悪いので、こういう間違いがたまにある。
ジュをギュと勘違いしたり、キをチと間違えたりする。
だから、よく、潤一と漫才の掛け合いのような会話になる。
そんな会話を香奈はいつも面白そうに見ている。春人はそんな二人に
「寂しくはないよ、ただ、リョッリョッ寮生活になるからさ。
これから、シッシッシ心配でさ」
「そういう事は初めてだからな、春人は」
「まあね」
「慣れるしか無いよな」
「ジュジュジュ潤一は大学か」
「まあ、俺は自転車で十五分くらいだから。そういう意味では楽かも知れないな」
「春人君もお兄ちゃんと一緒のとこに入れば良かったのに」
「無理無理。ガッガッガ学力が違い過ぎるよ、香奈ちゃん」
続く


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三日月と花火21
前を読む
門出
確かに、学力だけでいえば、春人は頭がそれ程良くない、
というか、小学生の時から勉強する気があまり無く適当にやっていた。
それで高校も潤一は地元で一番の進学校に入学したのに対し、
春人は地元では滑り止め高校と言われる私立の高校に入学した。
ふと、潤一はある事を思い出した。
「でも、国語は一度も勝ってねえよ」
「え?そうなんだ」
「ああ、な?春人」
「中学の時の話だろ」
 花火はもうすぐ、終わろうとしていた。それで名残惜しそうに香奈は
「もう、終わりだね」
「そうだな、でも、しかし、三月に花火をする事になるとはな」
「押し入れにあったから、昨年の残りが。だから、
お兄ちゃんと春人君の新たな門出を祝おうと思って」
「ありがとう、香奈ちゃん」
「どういたしまして」
続く


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三日月と花火22
前を読む
ありがとう。

「潤一もありがとう」
「はあ?何が」
「僕なんかと、トットット友達になってくれて」
「何だよ、いきなり、気味悪いな」
照れくさそうに潤一はそう言った後、春人にこう言った。
「あのさ、お前さ、これから色々あると思うけどさ、
どんな事があっても僕はお前の友達だから」
香奈もそれに追従するように
「私も友達だよ」
 春人はそんな二人の優しさに涙が込み上げて来そうになり、
涙が零れないように上を見上げた。
春人の視線には黄金色に鈍く輝く三日月が映った。春人はその三日月に誓った。
この兄妹がもし、色々な危機や苦難が襲いかかってきたら、
自分が出来るだけの事はする。例え、それが自らの死に繋がったとしても.....
春人がいつまでも、夜空を見ているので、二人も釣られて上を見た。
三人して空を見ているその姿は本当の兄妹のようだった。



続く


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